「三井温熱療法って、どんな温熱?」
まだよく知らない人に、多くいただく質問です。
「時にムチャクチャ熱いけど、最後にはとことんカラダがラクになる温熱療法っすよ」
私はいつもこう答えてます。
ただ、身体をポカポカ温める温熱療法じゃあないんですよねー。
43℃くらいの”ちいとばかり熱い”と感じる熱の刺激を使うとこが、ポカポカ温熱とは違うところ。
43℃付近の熱のチカラで、自律神経(じりつしんけい)を直接ガツンとゆさぶる療法です。
その結果、交感神経(こうかんしんけい)と副交感神経(ふくこうかんしんけい)を行ったり来たりさせる。
そうなるとですね、血流がガラッと変わり、深いところのこわばりがゆるんで、終わったときにはリラックスしている。
私は26年、これをやってきました。この記事では、温熱を受けるかどうかを決める前に、知っておいてほしいことを書きます。
三井温熱療法とは、どういうものか
温熱器という道具を使います。管理医療機器です。
これを背中を中心に当てていきます。当てっぱなしにはしません。動かします。「温熱器を流していきますね」こんなふうによく言います。
お客様が熱いと感じたら、温熱器をすぐにずらす。そして流す。また当てていく。この繰り返しです。
熱の温度は、43℃を基準としてその前後。42℃から46℃くらいだと思います。
ここで一つ、先にお伝えしておきます。この数字は、温熱器のダイヤルに出ている設定温度ではありません。皮膚に届いて、あなたが実際に感じる熱の温度の話です。設定温度のほうは、もっと高い数字になります。
大した温度じゃないですよね?
でも、血流が悪いところ、筋肉がガチガチなところ、疲れてる内臓とつながってるところに、そのくらいの温度の熱が当たると、まるで沸騰したやかんのお湯が飛んできて、皮膚についたときの「アチッ!」くらいに感じるんですね。
「それって、ヤケドするんじゃないですか」
しません。ただし、理由は「温度が低いから」ではありません。
熱いと感じた瞬間に、温熱器をずらすからです。同じところに置き続けなければ、この温度でヤケドにはなりません。
逆に言えば、42℃でも当てっぱなしにすれば低温やけどになります。だから私は、一か所に留めません。
そしてもうひとつ、不思議な現象をお客様は感じることになります。
同じように温熱器を当てていっても、熱く感じる場所と、そうでもない場所があるんです。人によって、その日によって違う。
私はこれを「温熱ポイント」と呼んでいます。あなたのカラダが、いまどこに手を入れてほしいのかを、熱さで教えてくれる。
だから、同じやり方で温熱する人はひとりもいません。
この熱さに思わず出る「アチッ」という声を、三井温熱では「アチチ反応」と呼びます。我慢して出すものなのか、出ない人はどうなのか。それは、こちらに書きました。
三井温熱のアチチ反応とは?自分で温めるときは、出さなくていい
熱ければ熱いほど効きます。26年、この考えは変えていません
「熱ければ熱いほど効きますよ!」私は昔からそう言い続けてきました。間違いなくそうだと言い切れるほどの経験年数がありますから。
熱いと感じる刺激は、カラダにとってはストレスです。ストレスがかかると、交感神経がグッと立ち上がる。緊張する神経ですね。
そのままにはしません。グッと立ち上がった交感神経をそのまま放置しても、カラダはラクになりきらない。
次に、気持ちのいい熱で、ゆっくり流していきます。すると今度は副交感神経が働く。ゆるむ神経です。
熱い、気持ちいい、熱い、気持ちいい。この往復が、この温熱療法の正体です。
そして、熱ければ熱いほど交感神経を強く刺激できる。強く立ち上がったぶんだけ、そのあとにゆるむ幅も大きくなる。だから熱いほうが効く。私はそう考えていますし、26年たった今も、この考えは変えていません。
熱でカラダの中で何が起きているのかは、別の記事で詳しく書いています。体を温めるとなぜラクになる?
正直に言うと、この話を初めて聞いた方は、たいてい少し不安な顔をされます。
そりゃ当然だと思う。
ただし、強い熱には裏側があります
6年前の私は、ここを書いていませんでした。「熱ければ熱いほど効く」とだけ言っていた。
いまは、裏側もセットで話すようにしています。
強い熱の刺激には、こういう面があります。
熱いだけで終わると、交感神経の緊張だけが残ります。ゆるむところまで行かない。終わったあとに、スッキリではなくズーンとくる。これは「効いた」ではありません。
同じ場所に入れすぎると、これまたうまく効果を引き出せないときもある。つらい場所を何とかしたい一心で、そこばかりに熱を入れる。
気持ちはわかります。でもカラダ全体のバランスが崩れて、かえって重くなる。
そして、ヤケド問題。
不思議なことに、熱すぎる熱は、ヤケドになりにくいんです。熱すぎると我慢できないので、勝手にカラダが逃げますから。
危ないのは「じわじわ熱くて、我慢できてしまう熱」のほうです。
しかし、我慢してるのは脳です。皮膚は焼けます。
この2種類の熱の見分け方は、セルフケアをする方に向けて別の記事にまとめてあります。三井温熱の温度設定は何度がいい?
「熱いほど効く」は、こういう裏側の理屈を熟知し、高温の医療機器を扱える人の手の中でだけ成り立ちます。ただ熱くすればいいという話では、まったくありません。
だから、私は我慢させません
受けてみるとすぐにわかります。「アチッ!」という熱さは、我慢するものではありません。というより、我慢できませんよ。
熱いと感じた瞬間、あなたのカラダはビクッと動きます。防御反射(ぼうぎょはんしゃ)といって、もともとカラダに備わっている仕組みです。当然、全身に力も入ります。
でもそれでいいんです。自然な反応なんですから。
だから私は、施術の前にしっかりとこのようにお伝えします。
「熱かったら、我慢しないで早めに熱いって言ってくださいね。言いたくなければ言わなくてもいい。その時はカラダを動かしてください。そしたらすぐに温熱器を離しますから」
強い熱を入れる技術と、すぐにその熱をかわす技術は、セットになっていないと意味がない。
カラダの中から動かせる、強力な熱をコントロールしているのは、受けているあなたではありません。温熱器を当てている私です。ですのであなたは、我慢しなくていい。
受けたあと、だるくなったりしませんか?
これもよく聞かれます。
世の中では「好転反応」と呼ばれていますね。「施術のあとにだるくなるのは、カラダが良くなっている証拠です」、という説明。整体でも鍼でも温熱でも、だいたい同じことが書かれています。
正直に言います。私は、この言葉をあまり使いません。
私の施術では、だるさはほとんど出ないからです。
これは体質の話ではありません。熱の入れ方の話です。前にお話ししたとおり、熱いだけで終わってしまうと交感神経の緊張が残ります。終わったあとにズーンとくる。あれは「効いた」ではないんです。
熱い、気持ちいい、熱い、気持ちいい。この往復をきちんと作れば、それほどだるくなったりはしない。
つまり、だるくなるかどうかも、熱の当て方で変わります。
ただし、眠くなる方はいます。これは別の話です。副交感神経が深く働いて、カラダが休みに入っているだけですから、自然な反応です。
だから私は、施術の終わりにこうお伝えしています。
「眠くなるときがあるので、今日はゆっくり休んでくださいね。水分をしっかり摂って、早めに寝る。それがいちばんいいです」
なお、いつもと明らかに違う症状が出た場合や、不調が長く続く場合は、温熱のせいだと決めつけずに、医療機関で相談してください。
どんな方が来られるのか
いちばん多いのは、肩こり、腰痛、首のつらさ、それから「疲れが抜けない」という方です。
もうひとつ、書いておきます。
私はこれまで、ガンや難病を抱えた方にも温熱療法を行ってきました。その数は少なくありません。
誤解のないように書きますが、私がしているのは、病気を治すことではありません。三井温熱療法は医療ではありませんから。
治療は医療機関の仕事です。私がしているのは、その方のカラダを、とことんラクにすることです。
つらい治療の合間に、背中がゆるむ時間があること。夜、いつもより深く眠れること。食欲が湧いてきて、心もカラダもラクに感じること。
そこに意味があると感じて、ずっとやってきました。
病気の有無にかかわらず、私のしていることは変わりません。とことんカラダをラクにする。それだけです。
なお、温めないほうがいい状態もあります。当てはまりそうな方は、先にこちらを読んでください。三井温熱療法をやってはいけないケース
では、ご自分の症状に温熱が向いているのかどうか。それは、受けてみないとわからない話ではありません。体に触れる前の問診で、たいてい判断がつきます。
三井温熱療法は私に効くの?体に触れる前に、問診でわかること
当て方ひとつで、結果が変わります
同じ温熱器を使っても、当て方が違えば結果は変わります。
先日、50代の女性が来られました。連日の負荷が重い仕事で疲れ切って、その疲労がどうしても抜けないという方です。疲れが抜けなくても、仕事はやりきりたい。そんな人、けっこうたくさんいます。
自律神経の要の場所、背中に温熱器を当てていきました。
しばらくして、その方が言いました。
「熱いけど気持ちがよくて、カラダがどんどんほぐれていく……」
私の手には、はっきりと変化が伝わっていました。最初は、まるでマネキンの上を撫でているような固さだったんです。それが、「熱いけど気持ちがいい」を繰り返していくうちに、やわらかく弛(ゆる)んでくる。温熱器を介して私の手に伝わる感触が、途中から別物になる。
この「固さがやわらかく弛んでくる」感触を、どこで、どのくらいの熱で、どのタイミングで作るか。それが温熱器の当て方です。
温熱器は道具です。道具は、扱う人の手の中で結果が決まります。
私の施術が実際にどう進むのか、当日の流れと料金は別のページにまとめています。
三井温熱療法をサロンで受けたい方へ|当日の流れと、私の判断のしかた
自分でやるのと、プロの温熱は何が違うのか?
これもよく聞かれます。
私の中での線引きは、こうです。セルフケアは日々の土台づくり。プロの施術は、正確に狙う仕上げ。役割が違います。
私自身、毎朝1時間、自分に温熱をしています。それがあるから、一日中の仕事が続けられている。ですので、セルフケアを軽く見ているわけでは、まったくありません。
ただ、自分で当てると、どうしても「じわじわ熱」に寄ります。鋭い熱を、狙った場所に、正確に入れるのは難しい。ここが、いちばんの違いです。
セルフケアの具体的なやり方は、別の記事に全部書いています。三井温熱セルフケアのやり方|毎朝1時間、自分に温熱している私の手順
よくある質問
Q1. どのくらい熱いんですか。やけどが心配です。
皮膚で感じる温度は、42℃から46℃くらいです。「アチッ!」となる熱さですが、その瞬間に温熱器をズラすので、ヤケドにはなりません。我慢していただく必要もありません。
Q2. 何回くらい必要ですか。
施術の最後に、通う回数についてお話ししています。カラダの状態は人それぞれですし、続けて受けるうちに熱の受け入れ方も変わっていきます。そのうえで、なるべく少ない回数で無理なく通える形を、根拠とあわせてご提案します。無駄に通っていただく必要はありません。
Q3. 服はどうすればいいですか。
着替えをご用意しています。手ぶらでお越しいただいて大丈夫です。
Q4. 持病があっても受けられますか。
状態によります。ねんざや打撲の直後など、温めないほうがいい状態もあります。心配な点は、事前にお伝えください。治療中の病気がある方は、主治医にも相談されることをお勧めします。
Q5. 温熱器を買って自分でやるのと、どちらがいいですか。
どちらか一方ではありません。日々のセルフケアがある方ほど、施術で入る熱の効きも変わってきます。
Q6. 「注熱(ちゅうねつ)」とは、何ですか。
三井温熱療法の創始者、三井とめ子先生がつくった言葉です。熱を注ぐと書いて、注熱。ただ温めることとは、はっきり違います。施術のとき、私はお客様にこうお話ししています。
注熱では、43℃前後の熱を皮膚に入れます。お客様が「熱い」と感じるのが、ちょうどこのあたりの温度なんですね。
その「熱い」という感覚が、自律神経(じりつしんけい)のうち、交感神経(こうかんしんけい)への刺激に変わります。そしてカラダの中で、反射が起きる。この反射が、血流や筋肉のこわばり、内臓の働きにまで及んでいく。私はそう見ています。
ここが、ただ温めることとの、いちばんの違いです。カラダの中で何が起きているのかは、こちらで詳しく書いています。体を温めるとなぜラクになる?
最後に
三井温熱療法は、熱い温熱療法です。そこは隠しません。
でも、我慢はいらない。「熱いけど気持ちいい」終わったときにそう感じていただけたら、その方に、三井温熱療法は合っています。
ひとつだけ、補足しておきます。私が「熱いほど効く」と言うとき、それは「我慢したぶんだけ効く」という意味ではありません。強い熱が成り立つのは、当てる側がその熱を扱えるときだけです。だから施術では、我慢はさせません。ここは何度でも言います。
あなたの毎日が、少しでもラクになりますように。
※本記事は医療行為の代替ではありません。痛み、しびれ、皮膚トラブルなど不安がある場合は無理をせず、専門家に相談してください。
ここまで読んで、一度受けてみようかと思われた方へ。私がどこで、どのように施術しているかは、こちらにまとめました。
三井温熱療法をサロンで受けたい方へ|当日の流れと、私の判断のしかた
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