結論
三井温熱療法は、温めれば何でも正解というものではありません。
特に、ねんざ・打撲などの急性症状、緑内障の方の目元、
妊娠中の温熱のやりすぎは、かえって悪い結果を招くこともあります。
急性症状ってどんな感じ?
・痛い!(何もしていなくてもズキズキ、ジンジン痛む)
・腫れる!(痛いところがパンパンに膨らんでくる)
・熱い!(触ると、そこだけ熱を持っている)
・赤い!(炎症や内出血で赤や青紫になっている)
・動かせない!(痛くて体重がかけられない、関節が曲がらない)
「温めればなんとかなるんじゃないか?」
「何もしないより温熱でしょ!」
そんな気持ちが強くなっても、いったん立ち止まる。
この記事は、そんなあなたへの安全確認になります。
この記事でわかること
1・今はしない方がよいケース(炎症・緑内障・妊娠中)
2・やってはいけない温熱器の使い方
3.それでも迷ったときの判断基準
過度な刺激とは、どんな意味かと言うと、
・まだまだいける、と熱さを我慢する
・同じ場所に長く当て続ける
・強い設定(温度)で押し切る
三井温熱療法でやらない方がよい3つのケース
ねんざ・打撲など、急性症状のとき
ここは本当に大事です。
しかもよく聞かれます。
痛い。腫れている。熱を持っている。
「でもそんなには痛くないし、ちょっと腫れてるようで、なんとなく熱をもっている気がする」
もしかしたら、「温めたら良くなりそう」と考えてしまうのもしょうがない。
でも、急性症状は別です。
さきほど、急性症状の感じは説明しましたが、もっとカンタンに言うと、
「動かしてもいないのに、ズッキンズッキンする」
「ちょっと動かしたときに、キンッって感じに痛い」
三井温熱療法は、こういうタイミングのときには向きません。
まず、その痛い場所をなるべく動かしちゃいけない時期に、
一生懸命温熱を足すと、さらに痛みがマシマシになる。(多くのケースで)
ズキズキ、ジンジン、熱っぽい。
こういう感じがある日は、「今日は温熱をがんばる日じゃない」
そう考えたほうが安全です。
緑内障で、眼球に温熱をしていいのか?
三井とめ子先生の書籍に、「緑内障には温熱しちゃダメ」って書いてあります。
ダメなんだけど、その理由は「眼圧が上がるから」くらいで、
それ以上詳しく話されてはいません。
ですので、ここではその理由と「じゃあ、どうすれば?」ということまで、
踏み込んで話しますね。
緑内障(緑内障気味):治療が必要な状態ならば、温熱器による熱刺激はできない
「温熱器による熱刺激はできない」(熱い温熱)
ここ大事なところです。
緑内障は、少しづつ目が見えなくなるという深刻な症状ですが、その理由は2つあります。
・眼圧が上がり、視神経を圧迫
・視神経への血流不足で神経自体が弱る
温熱器による、「熱いけど気持ちがいい」は、眼房水(がんぼうすい)という眼圧を上げる水が大量につくられてしまう可能性が高い。
ですので、「眼圧が少しでも上がっている眼に温熱はしない方がいい」、ということになります。
眼圧が上がっているかは、自分ではわかりませんので、医療機関での診断が必要になります。
もう一つ、「視神経の血流不足」です。
あまり知られてませんが、日本人の半分以上の原因が血流不足なんですね。
参考文献:
医療法人 湘悠会 むらかみ眼科クリニック
「緑内障」とはどんな病気?
視神経の血流不足=首肩背中の温熱

眼球の中に水が溜まり、眼球の周りにある視神経をギュウギュウと押してしまう。
視神経が働かないので、だんだんと視力が落ちる。
でも、さっき話したとおり、日本人の半分以上の緑内障は、「視神経の血流不足」なんですよね。
多くの眼科医が、首から目への血流が悪くなることや、ストレスによる自律神経の乱れが、視神経の血流不足を引き起こし緑内障を悪化させる要因になると警告しています。
そこで、私が実践している、根拠ある方法をお伝えします。
積極的に温熱すべきは、目じゃなくて、首・肩・背中です。
熱くない程度、「ああ、気持ちいい~」なら、目の疲れを解消するにはよいでしょう。
でも、熱い刺激はダメ、だということです。
「熱いけど気持ちがいい」という、三井温熱療法のよさを最大限に発揮させるには、
徹底的に首肩背中をゆるゆるにしてしまえばいいんです。
視神経の血流がよくなり、副交感神経がたくさん働くようになって、さらに血管もゆるゆる。
血流不足で疲れ切った視神経を助けてくれます。
私が、三井温熱療法をしたあと、多くのお客様がこう言います。
「目を開けてられないぐらい眩しいっ!」
「なんか、モノがはっきりみえるっ!」
調べてみましたら、この現象はまさに、「視神経への血流がよくなったから」ということが
確認できました。
「緑内障には、温熱したらダメ?」
目に直接はよくないけど、首肩背中をとにかく、温熱でユルユルにしましょう。
妊娠中の過度な刺激
妊娠中は「全部ダメ」と雑に言う話ではありません。
でも、だからこそ雑な理解ではよくないこともありえます。
大事なのは、「過度な刺激」を避けることです。
・よかれと思い、熱いのを我慢する。
・ぎゅうぎゅう押す。
・長時間し過ぎ。
こういうやり方はしない。
でも正しい理解で温熱するなら、したほうがいいです。
助産師さんと、深い話をすることがあります。
私の温熱を受けてくれてる助産師さんが数人いるんですね。
その方たちは、妊婦さんに温熱してあげてて、
とてもよい反応をもらってるそうです。
助産師さんによれば、「今の若い人たちは、子宮(下腹部)がすごく冷えてて、
それが逆子の原因にもなってる」、と言うのです。
心臓側のほうが温かいので、頭が上を向いてしまうそうです。
でしたら、下腹部にしっかりと、「熱いけど気持ちがいい」温熱はするべきですね。
そして、自律神経を整えて、心もカラダもリラックスすることは、
お腹にもいい影響があるに、ちがいありません。
迷った日に使う判断基準
- ズキズキ、腫れ、熱感があるなら、その日は患部に温熱しない
- 緑内障と診断されたら、自己判断で目に温熱しない
- 妊娠中なら、強い刺激で押し切らないで、正しい方法を知る
やってはいけない使い方
最初から高い温度設定ではじめる
これは単純に危ないです。
まず体感を見ないといけません。
「強いほうが効きそう」
その発想で始めると、低温やけどや我慢の温熱になりやすい。
温度設定は、数字より先に体感です。
温度設定の考え方は、別記事「三井温熱療法 温度設定は何度がいい?初心者の目安とPRO使用の注意点」で詳しく整理しています。
痛いところだけを追いかける
これも外しやすいです。
痛い場所があると、そこだけを何度もやりたくなりますよね。
でも、三井温熱療法は「そこだけ」を追いかけるほど雑になりやすい。
左右、上下、前後。
全体のバランスを見ながら入れていくほうが、結果として安全で、しかも外しにくい。
ここは、経験がある人ほど実感するところです。
同じ場所に当てっぱなしにする
「まだいける」
「もう少し大丈夫そう」
これが危ないです。
低い温度でも、同じ場所に長く当て続ければ、低温やけどにつながることがあります。
特に、熱さを我慢できてしまう人は要注意です。
脳が平気でも、皮膚はやけどする可能性大、です。
セルフケア全体の順番や安全ルールは、別記事「三井温熱療法セルフケアのやり方|順番・温度・時間と低温やけど予防」で整理しています。
よくある質問
Q1. ねんざした直後でも、冷えてツラいなら温めていいですか
A. 直後の急性症状には向きません。ズキズキする、腫れている、熱を持っているなら、
その日は痛いところには、しないほうが安全です。
Q2. 妊娠中は三井温熱療法を絶対にしてはいけませんか
A. この記事で言いたいのは「全部ダメ」ではなく、「過度な刺激を自己判断でしない」ということです。やり方が正しければ積極的にしてもいいです。
Q3. 目が疲れているとき、目のまわりを温めたいのですが
A. 緑内障がある方が眼球を長く温める行為は避けるべきです。
温熱するなら、首肩背中が有効です。
目元の温めは、特に自己判断で強く長くやらないことが大切ですが、
一般的な眼精疲労なら、目を温めてもいいです。
まとめ
三井温熱療法は、温めれば何でも正解ではありません。
急性症状は向かない
緑内障の方の目元は慎重に考える
妊娠中は過度な刺激を避ける
迷った日は攻めない
これだけでも、かなり外しにくくなります。
温熱は、強さで勝つものではありません。
安全に続けられること。
まずそこが土台です。
監修・解説
監修:徳山聖徳(柔道整復師/三井温熱療法26年/著書あり)
この記事は、三井温熱療法で「やってはいけないケース」を、読者が迷わず判断できる形に整理したものです。
徳山聖徳プロフィール(実績・著書・考え方)は、こちらの固定ページをご覧ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療行為の代替ではありません。痛み、しびれ、腫れ、熱感、皮膚トラブル、妊娠中の不安などがある場合は、無理をせず専門家や医師に相談してください。


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