なぜ痛みは「悪い場所」と違うところに出るのか― 肩・腰・膝が治らない本当の理由

肩が痛いから肩を触る。
腰が痛いから腰だけをケアしてもらう。
膝が痛いから、膝にしか目が向かない。

これって、とても自然な考え方ですよね。
実際、ほとんどの人がそうしていますし、100%間違いではありません。

それなのに――
何度も通っているのに、なかなか良くならない。
一時的には楽になるけれど、また戻ってしまう。

そんな経験、ありませんか?

それは、
「やり方」が悪いのではなく、
診ている場所が少しズレているだけなのかもしれません。

痛み=その場所が悪いって思ってませんか?

痛みが出ている場所は、とても分かりやすいサインです。
ズキッとしたり、ジンジンしたり、重だるかったり、張り感があったり。

だから、ほとんど誰もが無意識に、

「ここが悪いんだ」
「ここを治せばいいんだ」

と思ってしまいます。

実際、医療でも施術でもセルフケアでも、
痛い場所を中心に対処することが多いのが現実です。

それ自体は、決して間違いではありません。
ただ、それだけでは解決しないケースがとても多いのです。

多くの人は、
「痛い場所=原因」
だと考えてしまいます。

でも実際には、
痛い場所とは違う場所が関係していることがよくあります。

でも実際には「違う場所」が関係していることが多い

長年、カラダを診続けていると、
ある共通点に何度も出会います。

それは、

痛みが出ている場所と、
本当に問題が起きている場所が一致しないケースがとても多い

ということです。

たとえば――
肩が痛いのに、原因は背中の骨(脊椎)の動きだったり。
腰が痛いのに、実はもっと上の背骨がガチガチだったり。
膝が痛いのに、股関節や足首の影響が大きかったり。

「え?そんなところ関係あるの?」
そう思う方がほとんどでしょう。

でも、体の中では、
こうしたことが日常的に起きています。

なぜ体は「違う場所」に痛みを出すのか

では、なぜそんなことが起きるのでしょうか。

脳は「一番分かりやすい場所」で教えてくる

私たちの体は、
どこかに不具合が起きると、必ずサインを出します。

その役割を担っているのが「脳」です。

ただし、脳は必ずしも
原因そのものの場所を教えてくれるわけではありません。

結果として、
原因は別のところにあるのに、
痛みとしては別の場所に現れる
ということが起こります。

体は部分ではなく、全体でつながっている

もうひとつ、大切な事実があります。

それは、
体はパーツごとに独立して動いているわけではない
ということ。

筋肉も、関節も、神経も、
すべてが連動しながら動いています。

一か所の動きが悪くなれば、
別の場所がそれを補おうとします。

補い続けた結果、
一番負担が集中した場所に
「痛み」という形でサインが出る。

これは、とても自然な流れです。

肩・腰・膝でよくある「ズレ」の例

ここで、よくある例をいくつか挙げてみます。

肩が痛いのに、原因は背中の骨がほとんど動いていなかった

肩こりや肩の痛みがあると、
多くの人は肩を一生懸命ケアします。

もちろん、それで楽になることもあります。

ただ、
背中の骨の動きが硬くなっている場合、
肩は常に無理な役割を押し付けられてしまいます。

その結果、
肩が「もう限界だよ」と
痛みを出しているケースも少なくありません。

腰が痛いのに、腰が一番がんばっていた

腰痛の方を診ていると、
腰そのものは比較的よく動いている、
ということもよくあります。

本来動くべき股関節や背中が動かず、
腰がその分まで働かされている。

その状態が続けば、
腰が悲鳴を上げるのは自然なことです。

膝が痛いのに、原因は別の場所だった

膝の痛みも同じです。

足首の動き、股関節の使い方、
歩き方や立ち方のクセ。

そうした積み重ねが、
最終的に膝へ負担を集中させ、
それが痛みとして表れていることがあります。

「痛い場所だけを見る」ことの落とし穴

ここまで読んでいただくと、
もしかしたら少しだけ、
今までとは見え方が変わってきたかもしれません。

痛い場所をケアすること自体は悪くありません。
でも、それだけに頼ってしまうと、
根本的な解決にはつながりにくい。

その結果、

・その場では楽
・時間が経つと戻る
・また同じことを繰り返す

こうしたループに入りやすくなります。

じゃあ、どう考えればいいのか?

大切なのは、
「どこが悪いか」だけを見ることではありません。

それよりも、
体がどういう状態で困っているのか
を考えることです。

どこが動いていないのか。
どこが無理をしているのか。
どこが頑張りすぎているのか。

こうした視点を持つだけで、
体の見え方も、対処の方向も、大きく変わってきます。

まとめ

痛みは、体からの大切なサインです。
でもそのサインは、
必ずしも「痛みの原因」そのものを指しているとは限りません。

痛い場所だけを責めるのではなく、
カラダ全体を一つのつながりとして診る。

その視点を持つことが、
遠回りに見えて、実は一番の近道になることもあります。

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